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特集 若き産婦人科医へのメッセージ

内視鏡下手術の立場から

井坂惠一

HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY Vol.30 No.4, 61-66, 2023

内視鏡下手術の歴史はそれほど古くはないが,その特性として痛みが少なく,早期復帰が可能であることから,腹腔鏡手術,子宮鏡手術として急速に普及してきた経緯がある。
その適応に関しては,良性腫瘍はもちろんのこと,近年は子宮体がんや子宮頸がんなど悪性腫瘍を対象とした手術が保険収載されて確実に普及し始めている。今後は,さらなる術式の保険収載が望まれる。一方でその合併症は,開腹手術に比べ少ないとされるが,一度起こると重篤な転帰を辿ることも少なくない。そのためには,日頃からの十分な対策を行うことが肝要である。
近年の内視鏡下手術の進歩には目を見張るものがあり,その一環としてロボット手術が挙げられる。今後は,ロボット手術の台頭が考えられ,さらに将来はAIの参入が見込まれ,AIを搭載したロボット手術装置の登場もそれほど遠い未来ではない。これからは,若い世代における内視鏡下手術の習得が課題となることは必須であり,教育プログラムの充実や自身の日頃からの心構えがその手助けになると考える。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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