子宮内腔は,従来,無菌と考えられてきたが,次世代シークエンサーなどの技術の発展により細菌叢が存在することが明らかとなってきた。この細菌叢は,子宮内膜細胞と局所免疫系の両方の機能を調節し,病原性微生物と競合し,保護分子を生成することによって子宮感染を防ぐことができるとの考えも提唱されている。また,この細菌叢が,単に防御ではなく生殖細胞の発育などに影響するとの報告もある。このようなことから,子宮内細菌の乱れが妊娠成立に大きく影響する可能性が示唆されるようになってきている。
特集 子宮内膜機能の基礎と臨床
子宮内膜機能と細菌叢
掲載誌
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Vol.29 No.3 43-49,
2022
著者名
木村 文則
記事体裁
抄録
/
特集
疾患領域
代謝・内分泌
診療科目
糖尿病・代謝・内分泌科
/
産婦人科
媒体
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Key Words
子宮内膜機能,着床障害,細菌叢,次世代シークエンサー,子宮内膜炎
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。