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特集 受精と胚発生をめぐる話題

着床前期胚発生における遺伝子発現調節機構

浜谷敏生

HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY Vol.29 No.1, 49-56, 2022

着床前期胚の発生過程には,新たな個体の発生に必要な分化全能性の獲得,すなわち母性遺伝子産物の分解,エピジェネティクス制御を介した核のリプログラミング,胚性ゲノム活性化,テロメア伸長,ミトコンドリアの形態的・機能的変化,内細胞と栄養外胚葉への分化などきわめて重要な生物学的事象が含まれる。着床前期胚発生の分子機構を明らかにすることは,iPS細胞樹立過程やクローン胚において体細胞核が初期化される「若返り」メカニズムの解明に繋がるため,今後の再生医療の発展にも重要である。
「KEY WORDS」着床前期胚,胚性ゲノム活性化,DNAメチル化,ヒストン修飾,CARM1

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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