性差が関与する疾患として,骨粗鬆症と並び閉経後に認められる動脈硬化の危険因子である脂質異常症が挙げられる。これには多面的な動脈硬化抑制作用を有するエストロゲンの低下が関与しており,閉経後の女性では動脈硬化性疾患の割合が上昇する。ホルモン補充療法(HRT)についてはさまざまな研究が行われているが,閉経後女性の脂質異常症改善や動脈硬化性疾患予防のためのHRTについては,治療となるだけの確固たるデータはまだなく,現在研究が進められており,今後のさらなる検討が待たれる。
特集 女性医学からみた脂質代謝異常
エストロゲンと脂質異常症
掲載誌
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Vol.28 No.4 51-55,
2021
著者名
佐山 遥平
/
寺本 民生
記事体裁
抄録
/
特集
疾患領域
代謝・内分泌
診療科目
産婦人科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
媒体
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Key Words
動脈硬化,脂質異常症,エストロゲン,ホルモン補充療法(HRT)
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。