閉経後女性の最大の死因である冠動脈疾患予防のためには,何よりも血清脂質の適切な管理が重要である。国際的には,女性において血清中の高比重リポ蛋白コレステロール(HDL-C)と総トリグリセライド(中性脂肪,TG)が,総コレステロール(TC)や低比重リポ蛋白コレステロール(LDL-C)とは独立の,そしてTCやLDL-Cよりも優れた心血管疾患予測因子であることが知られている。冠動脈疾患リスク因子のなかで閉経後のエストロゲン低下と最も密接に関連するのは血清LDL-C高値であるが,一方で日本人女性の冠動脈疾患発症に対する寄与率は年齢・喫煙・糖尿病が高い。
特集 女性医学からみた脂質代謝異常
脂質異常症と冠動脈疾患
掲載誌
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Vol.28 No.4 26-31,
2021
著者名
寺内 公一
記事体裁
抄録
/
特集
疾患領域
代謝・内分泌
診療科目
産婦人科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
媒体
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Key Words
低高比重リポ蛋白コレステロール(HDL-C)血症,高トリグリセライド(TG)血症,高低比重リポ蛋白コレステロール(LDL-C)血症,喫煙,糖尿病
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。