脂質異常症の管理や動脈硬化性疾患リスクを考えるうえで,性差は最も重要な要素である。女性は閉経に伴うエストロゲンレベルの低下により,脂質プロファイルが急激に変化し,動脈硬化性疾患のリスクが急増する。それに加え,妊娠高血圧症候群(HDP)や妊娠糖尿病(GDM)だけでなく,子宮内膜症や更年期の血管運動神経症状(VMS)といった女性特有の疾患および病態と,脂質異常症や心血管疾患リスクとの関連が近年続けて報告されている。本稿では女性における脂質異常症の疫学に加え,心血管疾患リスク因子について,最近のトピックスを交え概説する。
特集 女性医学からみた脂質代謝異常
脂質異常症の疫学および心血管疾患リスク因子
掲載誌
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Vol.28 No.4 15-19,
2021
著者名
小川 真里子
/
橋本 志歩
/
髙松 潔
記事体裁
抄録
/
特集
疾患領域
代謝・内分泌
診療科目
産婦人科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
媒体
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Key Words
脂質異常症,動脈硬化性疾患,閉経,子宮内膜症,血管運動神経症状(VMS)
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。