早発卵巣不全(POI)は,40歳未満で4ヵ月以上の高ゴナドトロピン性無月経を認める難治性不妊症として知られている1)。現在,その原因としては医原性または自己免疫性などのほかに,単一遺伝子異常の関与が明らかになりつつある。主に,単一遺伝子の関与とは減数分裂とDNA修復に関わる75遺伝子とPOIとの関連が判明し,次世代シークエンス(NGS)の台頭によりその数は急増している2)。今後は,変異遺伝子の種類によってPOIにおける症状の程度の解析が実施できる可能性があることから,新たな治療戦略が期待される。
特集 ゲノム時代の生殖内分泌学
ゲノムと早発卵巣不全
掲載誌
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Vol.28 No.2 45-51,
2021
著者名
杉下 陽堂
/
鈴木 直
記事体裁
抄録
/
特集
疾患領域
代謝・内分泌
診療科目
産婦人科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
媒体
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Key Words
早発卵巣不全(POI),次世代シークエンシング(NGS),不妊症,遺伝学
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。