子宮内膜症上皮は,摘出された卵巣内膜症性囊腫の限られた領域にしか存在しないことが多く,これまで子宮内膜症に対するゲノム解析は困難であった。近年,シークエンス技術革新とレーザーマイクロダイセクションによる子宮内膜症上皮の適切なサンプリングにより,子宮内膜症のゲノム異常が同定された。特に良性腫瘍である子宮内膜症に,癌関連遺伝子変異が高頻度に存在することが明らかになっており,今後,子宮内膜症のゲノム異常に注目した病態解明が進むだろう。