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特集 一気にやって来た! 産婦人科におけるゲノム医療時代

NIPTでわかる遺伝子異常

関沢明彦

HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY Vol.27 No.4, 39-45, 2020

母体血胎児染色体検査(noninvasive prenatal testing;NIPT)は胎児染色体数的異常に対しての非確定的出生前スクリーニング検査の1つである。母体血漿中を循環するcell-free DNAの約10%が胎児由来成分であることを利用して行われているが,このDNAは胎児由来といっても胎盤の絨毛細胞由来である。そのため,NIPTは21トリソミー,18トリソミー,13トリソミーをきわめて高い感度で検出可能であるものの確定的な検査にはなりえない。さらに,NIPTは染色体数的異常のみならず,ゲノムワイド検査として7Mb以上のゲノムの微小欠失・重複を95%の感度で検出することも可能である。また,単一遺伝子病についての検査も限定された疾患に関してではあるが可能になってきており,その応用範囲は拡大している。しかしながら,感度の高い検査といっても非常に稀な発生頻度の疾患を対象に検査を行う場合,陽性的中率は理論上きわめて低く,一般集団を対象としての利用は推奨されない。NIPTを考える妊婦には検査前の出生前カウンセリングは重要であり,妊婦は検査についてよく理解したうえで,自律的に検査受検を判断できるように最大限の配慮をすることが求められる。
「KEY WORDS」母体血胎児染色体検査,NIPT,ダウン症,21トリソミー,ゲノムワイド NIPT

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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