ゲノム医療時代がやってきました。私が研究初心者のころ,わずか4,000塩基対を読むのに4ヵ月ぐらいかかりました(実験手技が下手だったことが理由の1つ)。今やヒトゲノム全体を読むのに数日も要しない時代となりました。21世紀に入りたての頃,ヒトの全ゲノムが解読され,時を同じくしてさまざまな疾患の原因遺伝子が次々と決定されていきました。しかし,実臨床で遺伝子変異を疑うような患者さんがおられても,なかなか塩基配列の解読にご同意いただけなかったように思います。もちろん,患者さんの自由意志として塩基配列を決めることで得られるメリットと,周囲への影響なども含めたデメリットを説明するのですが,そもそも「遺伝子」は「遺伝」と同一に受け取られ,下手をすると差別に繋がる,なんとなく暗いイメージがあったように記憶しています。
特集 一気にやって来た! 産婦人科におけるゲノム医療時代
特集にあたって
掲載誌
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Vol.27 No.4 10,
2020
著者名
木村 正
記事体裁
抄録
/
特集
疾患領域
代謝・内分泌
/
癌
診療科目
産婦人科
/
腫瘍内科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
媒体
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。