乳腺の発達や乳癌の発生にはエストロゲンが深く関与している。最も生理活性が強いものはエストラジオールであり,乳癌細胞のエストロゲン受容体と結合することで転写活性が進む。これらは以前から乳癌治療のターゲットとされてきた。代表的な治療薬は,選択的エストロゲン受容体モジュレーターとアロマターゼ阻害薬で,複数の大規模臨床試験で有効性は示されている。近年,転移・再発期において選択的エストロゲン受容体ダウンレギュレーターや,これら薬剤と分子標的薬の併用療法が高い効果を認めている。
特集 性ホルモンと産生・依存性腫瘍の基礎と臨床
性ホルモン依存性悪性腫瘍
(1)エストロゲンと乳癌 ―乳癌の発生から最新分子標的治療まで―
掲載誌
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Vol.27 No.2 31-36,
2020
著者名
木川 雄一郎
/
杉江 知治
記事体裁
抄録
/
特集
疾患領域
癌
/
その他
診療科目
産婦人科
/
腫瘍内科
媒体
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Key Words
乳腺,エストロゲン,エストロゲン受容体,ホルモン療法,分子標的薬
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。