近年,子宮内膜症・子宮腺筋症罹患女性において,妊娠中期以降の周産期合併症(流・早産,前置胎盤,胎児発育不全,妊娠高血圧腎症など)の発症リスクが増加することが明らかとなってきた。また,腹腔内出血などの稀ではあるが重篤な合併症についても知られるようになっている。今後は,重症度,病型,治療歴などにより疾患を細分化して予後を示す必要があり,周産期合併症を惹起する機序を解明していくことが期待される。