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特集 子宮内膜症・子宮腺筋症の新たな展開

子宮内膜症と各種疾患

(2)子宮内膜症と生活習慣病―子宮内膜症の心血管疾患リスク―

若槻 明彦

HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY Vol.27 No.1, 41-46, 2020

子宮内膜症患者は慢性的な炎症の活性化,抗酸化因子の減少による酸化ストレスの亢進,内因性NOS抑制因子の上昇などにより,血管内皮機能は低下している。血管内皮機能の低下は将来の心血管疾患(CVD)の発症リスクといわれており,疫学研究においても子宮内膜症はCVDリスクであることがわかっている。外科的に子宮内膜症の病巣を除去すると,血管内皮機能が改善し,炎症マーカーも低下することが報告されている。また低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP)は子宮内膜症術後の再発予防効果があるのみならず,血管内皮機能の改善効果もあるので,CVDリスク低下の可能性がある。
「KEY WORDS」子宮内膜症,炎症,心血管疾患,血管内皮機能,ホルモン

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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