漢方医学的にとらえた病態を証と呼ぶ。世界保健機関(WHO)の国際疾病分類第11版(ICD-11)では“pattern”と訳されている。証に随った治療(随証治療)は西洋医学にはない漢方医学の特徴である。本稿では,診断のものさしである,陰陽・虚実・表裏・寒熱・気血水および六病位について解説した。証はこれらによって決定される。また,診察方法は望診・聞診・問診・切診の四診より構成され,切診すなわち舌診,脈診,腹診について具体的に解説した。四診に熟達した医師であっても適切な方剤を選択することが困難な場合があり,筆者の工夫を述べた。
「KEY WORDS」証,陰陽,虚実,気血水,腹診
「KEY WORDS」証,陰陽,虚実,気血水,腹診