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特集 Female genital tractの収縮を再考する

妊娠時の子宮平滑筋の収縮とその制御

(3)オメガ3脂肪酸代謝産物による子宮炎症抑制作用

永松健

HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY Vol.26 No.3, 47-52, 2019

アラキドン酸カスケードとして知られるオメガ6脂肪酸代謝経路は炎症性エイコサノイドを産生して炎症を誘導する。それに対して,オメガ3脂肪酸の代謝経路は拮抗的に働き,生理的炎症抑制機構として作用する。子宮炎症に伴い誘導される頸管熟化や子宮収縮の制御においても,オメガ6,オメガ3脂肪酸の代謝産物の作用バランスが重要な働きを担うことが示されてきた。これまでに,妊娠中の多価不飽和脂肪酸(PUFAs)の摂取バランスの改善やオメガ3脂肪酸の積極的な摂取が早産リスク低減に有効であるとする報告が多い。近年の脂質分野の知見の集積により,オメガ3脂肪酸代謝産物のなかに強力な抗炎症作用を有する分子が同定されてきた。今後,オメガ3脂肪酸代謝産物の作用に着目した切迫早産治療薬の開発が期待される。
「KEY WORDS」アラキドン酸カスケード,エイコサペンタエン酸,レゾルビン,早産

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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