<< 一覧に戻る

特集 Female genital tractの収縮を再考する

妊娠時の子宮平滑筋の収縮とその制御

(1)プロゲステロン

中井章人

HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY Vol.26 No.3, 35-39, 2019

妊娠中の子宮平滑筋は過分極により収縮が抑制され,分娩が近づくと,静止膜電位が変化し脱分極が起きやすくなる。プロゲステロン(P₄)には抗炎症作用と収縮抑制作用があり,genomicおよびnongenomic actionを含む多様な作用で,妊娠中の子宮平滑筋を静止状態に維持する。諸説があるが,ヒトでは2種類の核内P₄受容体(PR-A,PR-B)の比率が変化し,機能が低下し陣痛発来すると考えられている。本稿ではこれらP₄による子宮平滑筋静止維持のメカニズムを解説する。
「KEY WORDS」プロゲステロン,子宮平滑筋,静止膜電位,genomic action,陣痛発来

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る