妊娠中の子宮平滑筋は過分極により収縮が抑制され,分娩が近づくと,静止膜電位が変化し脱分極が起きやすくなる。プロゲステロン(P₄)には抗炎症作用と収縮抑制作用があり,genomicおよびnongenomic actionを含む多様な作用で,妊娠中の子宮平滑筋を静止状態に維持する。諸説があるが,ヒトでは2種類の核内P₄受容体(PR-A,PR-B)の比率が変化し,機能が低下し陣痛発来すると考えられている。本稿ではこれらP₄による子宮平滑筋静止維持のメカニズムを解説する。
「KEY WORDS」プロゲステロン,子宮平滑筋,静止膜電位,genomic action,陣痛発来
「KEY WORDS」プロゲステロン,子宮平滑筋,静止膜電位,genomic action,陣痛発来