<< 一覧に戻る

目で見る染色体異常症の診断と生殖内分泌関連疾患

X染色体異常症

渡邉尚文

HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY Vol.25 No.3, 4-8, 2018

X染色体には性腺形成に関与する複数の遺伝子が座位し,女性ではX染色体異常により卵巣機能障害を呈することが知られている。諸家の報告によりばらつきはあるが,原発性無月経の25.8%,続発性無月経の7%にX染色体異常が認められた1)。ターナー症候群(Turner syndrome;TS)は女性で最もよく知られた染色体異常症であり,出生女児の約2,500人に1人の割合で発生し,原因は2つのX染色体のうち1つが完全に欠失もしくは構造異常によって生じる。TSの表現型は低身長と卵巣機能不全を主症状とし,外反肘などの骨格形成異常,翼状頸,リンパ浮腫を呈し心血管系異常や腎奇形を合併する。通常女性はX染色体を2本もち,片方は不活化されているが,X染色体上の一部の遺伝子は,XおよびY末端領域に存在する偽常染色体領域(pseudoautosomal region;PAR)に代表されるように不活化を免れており活性がそのまま残る。TSの症状は不活化を免れる遺伝子のハプロ不全が原因と考えられるため,X染色体の構造異常によって表現型はさまざまである。本稿では,主なX染色体異常と卵巣機能障害の関連について説明する。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る