A1:授乳中は,月経再開が抑制されるため,子宮内膜症リスクが低下することは予測されていたが,今回大規模な20年間以上に及ぶ前向き研究でこれが証明され,2017年に『BMJ』に発表された1)。米国のNurses’ Health Study Ⅱに登録された妊娠歴のある女性72,394人を対象に,母乳栄養と子宮内膜症の関連が前向きコホート研究で検討され,母乳栄養期間が3ヵ月増えるごとに子宮内膜症のリスクがハザード比0.92(95%信頼区間(CI)0.90~0.94,p < 0.001)で8%有意に低下し,完全母乳では同0.86(95%CI 0.81~0.90,p < 0.001)で14%有意に低下することが示唆された1)。生涯に母乳栄養を合計36ヵ月以上行った女性は,全く母乳栄養を行わなかった女性に比べ,子宮内膜症リスクが40%低かったと報告された1)。また,過去5年以内に分娩している女性ほど母乳育児が内膜症リスク低下と強く関連していることも報告されている2)。
ホルモンQ&A
Q1 母乳育児では子宮内膜症リスクが低下するのでしょうか?/Q2 非妊娠時の子宮収縮について教えてください。
掲載誌
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Vol.25 No.2 72-75,
2018
著者名
山崎 玲奈
/
藤原 浩
/
小野 政徳
記事体裁
抄録
疾患領域
その他
診療科目
産婦人科
媒体
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。