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特集 妊娠成立過程における最新のトピックス

胚接着, 胚浸潤の分子機構に関する最新知見とその解明への展望

福井大和廣田泰

HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY Vol.25 No.1, 53-57, 2018

妊娠年齢の高齢化に伴い,体外受精・胚移植 (IVF-ET) の重要性が高まっているが,一方でIVF-ETの反復不成功が問題となっている。その要因として着床障害が挙げられる。着床の過程は胚受容能の獲得,胚接着,胚浸潤に大きく分けられる。胚接着において,白血球抑制因子 (LIF) の上流に位置する,転写因子FOXA2について着目されている。FOXA2欠損マウスは不妊となり,LIFを補充しても生仔は得られなかった。これはLIFを介する経路以外のpathwayの存在を示唆する。また,胚浸潤においては,低酸素誘導因子HIF2αの関与が示され,子宮内膜管腔上皮の消失,細胞極性の減弱などの機序解明が今後の課題となる。
「KEY WORDS」胚接着,LIF,FOXA2,胚浸潤,HIF2α

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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