特集 妊娠成立過程における最新のトピックス
黄体形成と機能維持
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY Vol.25 No.1, 31-36, 2018
黄体形成ホルモン (LH) サージにより成熟した卵胞が排卵し黄体が形成される。ヒトではLHサージから排卵まで約36時間,ラット,マウスでは12時間である。この短期間に,卵胞では,エストロゲン産生からプロゲステロン産生へとステロイドホルモン産生が急速にシフトするが,このプロゲステロンが卵胞破裂には不可欠である。LHサージから排卵に至るまでの時期は,顆粒膜細胞の形態や組織構築はまだ黄体化していないが,機能的にはすでにプロゲステロン産生にシフトしているので機能的黄体化 (functional luteinization) と呼ばれる。本稿では,排卵とその後の黄体形成の運命を握る機能的黄体化の分子メカニズムを解説する。
「KEY WORDS」黄体化,プロゲステロン,エピジェネティクス,ヒストン修飾
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