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特集 妊娠成立過程における最新のトピックス

受精

髙橋和政寺田幸弘

HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY Vol.25 No.1, 23-29, 2018

生殖補助医療 (ART) がこれだけ多数例医療の現場で行われるようになった原因は,この医療が極めて包括的,かつ曖昧な適応のもと行われていることが挙げられる。年間数千・数万の採卵周期をこなすクリニックの先生方のご意見をうかがうと,体外受精 (IVF) 自体が不妊症の一検査として認識されている印象をもつ。この認識を医学として否定する事実を筆者らは持ち合わせていない。しかし,ARTは採卵などの軽微でない患者侵襲および大きな経済的負担を科する医療技術であることも忘れてはならないと考える。ARTに関わる医療者は常に生殖医学,生殖生物学,生殖遺伝学の最新情報を携えその診療にあたることが肝心である。本稿では受精成立までの種々のイベントを再認識し,主として精子の役割の観点からそれらについての細胞生物学な最近の知見を紹介する。
「KEY WORDS」細胞膜融合,Izumo1,Juno,CD9,PLCζ

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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