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特集 ニューロステロイド

ニューロステロイドとストレス反応

永井拓

HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY Vol.24 No.2, 45-50, 2017

動物にストレスを負荷すると神経ステロイドの脳内含量が変動すること,また,臨床においてうつや不安状態と神経ステロイドの血漿中レベルが相関することから,神経ステロイドはうつ病や不安障害などのストレス関連疾患に関与していることが示唆されている。脳内で合成されるステロイドホルモンは末梢内分泌腺から産生されるステロイドホルモンと区別してニューロステロイドと命名され,新しい神経調節物質として注目されるようになった。一方,生体には,各臓器の内部環境を一定の状態に保ち続けようとする恒常性機構が存在する。このストレスに対する恒常性維持機構は視床下部-下垂体-副腎系(HPA軸)が重要な役割を担っていることが知られている。本稿では,ストレス反応の観点からニューロステロイドの動態,恒常性維持機構における役割および精神疾患との関わりについて解説する。
「KEY WORDS」GABAA 受容体,視床下部-下垂体-副腎系,ストレス,精神疾患,ニューロステロイド

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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