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特集 妊孕性温存

各種がんと生殖機能温存

(5)血液腫瘍

神田善伸

HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY Vol.23 No.4, 59-64, 2016

血液腫瘍は再生産年齢の若年者にもしばしば発症する悪性腫瘍であり,化学療法や放射線治療による性腺障害が問題となる。造血器腫瘍に対する通常の化学療法後は性腺機能回復がみられることも多いが,造血幹細胞移植の前処置は性腺機能に不可逆的な障害を及ぼす。妊孕性の維持のために男性患者は精子の凍結保存が有効である。しかし,化学療法後は良質な精子を数多く得ることが困難であり,可能な限り初回の化学療法を行う前に精子を採取する。女性患者も卵子を採取して受精卵あるいは未受精卵として凍結保存することができるが,急性白血病患者では化学療法の合間に良質な卵子を得ることは難しい。移植前の全身放射線照射時に卵巣を金属片で遮蔽すると移植後早期に卵巣機能が高頻度に回復するが,造血器腫瘍の再発率が増加しないかについては多数例の長期観察が必要である。
「KEY WORDS」血液腫瘍,妊孕性,造血幹細胞移植,卵巣遮蔽

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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