「Summary」ガラス化凍結法の確立により,それまでの緩慢凍結法では困難と思われていた未受精卵子凍結保存がほぼ100%の生存率で可能となった。この方法を用いることにより,わが国でもがん生殖医療としての医学的適応による卵子凍結が実用化されつつある。一方,健康な女性が自身の将来のために行う,いわゆる社会的卵子凍結については否定的な意見も多いがその背景は複雑であり,女性のリプロダクティブヘルス&ライツの観点から,必ずしも否定はできないのではないかと思われる。技術的な歴史,その背景について考察する。
「Key words」未受精卵子,緩慢凍結法,ガラス化凍結法,医学的卵子凍結,社会的卵子凍結