「Summary」視床下部-下垂体-副腎系(hypothalamic-pituitary-adrenal axis;HPA axis)とはストレス反応系であり,最終的に副腎からglucocorticoid(糖質コルチコイド)の分泌を促し抗ストレス反応を惹起する。胎生期~新生児期におけるストレスに代表される種々の環境因子によって,成長後のHPA axisの反応性が多様に変化することは半世紀前から指摘されてきた。近年,HPA axisの変化,とりわけその反応性の亢進がnon-communicable diseases(NCDs)発症のリスク因子形成に関与する可能性が明らかとなりつつある。さらに,胎生期~新生児期などの発達期における環境因子がNCDs発症のリスク因子形成に重要な役割を果たすというdevelopmental origins of health and disease(DOHaD)学説が提唱され,発達期の環境因子によってHPA axisの反応性がプログラミングされるという事象は,DOHaD学説における具体的なメカニズムの解明をめざす有力な研究領域となっている。
「Key words」fetal programming,hypothalamus,低出生体重児,肥満,Non-communicable diseases(NCDs)
「Key words」fetal programming,hypothalamus,低出生体重児,肥満,Non-communicable diseases(NCDs)