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特集 着床

胚と子宮内膜との接着・相互作用

杉原一廣

HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY Vol.22 No.3, 39-47, 2015

「Summary」ヒト受精卵は胚盤胞まで自身で分裂・増殖し発生する。やがて子宮腔に達したあとは,implantation windowと呼ばれる時期の子宮内膜に接着して,着床が進み胎盤を形成し母体からの栄養供給を受ける必要がある。ヒトの胚を用いた実験は非常に困難なため,ヒトの着床機構を分子レベルで解明することは極めて難しい課題である。われわれは,着床の時期に時間的・空間的な特異性をもって発現する接着分子“トロフィニン”を同定し,その機能の解析によって,ヒトの着床現象の一端を明らかにしようとしている。
「はじめに」精子と卵が受精して融合した接合子は,卵分割を繰り返し初期胚となる。卵管から子宮腔に達した胚は,受精後6~7日目に子宮内膜上皮に対立したあと,接着し着床が開始される。接着を契機として胚と子宮内膜それぞれで特異的な変化が起きる。栄養外胚葉(トロフェクトダーム)は,栄養膜細胞(トロホブラスト)に細胞形態を変え,細胞増殖し子宮内膜上皮を越えて間質内へ浸潤する。
「Key words」human implantation,cell adhesion,trophinin,signal transduction,peptide phage screening

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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