【特集 オミックスが拓く生殖医学の未来】
特集にあたって
掲載誌
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Vol.22 No.1 10,
2015
著者名
大須賀 穣
記事体裁
抄録
疾患領域
代謝・内分泌
診療科目
産婦人科
媒体
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
オミックス(omics)とは生体中に存在する分子全体を網羅的に解析する技術ならびに学問である。対象が蛋白質であればプロテオミクス(proteomics), 代謝物であればメタボロミクス(metabolomics),遺伝子であればゲノミクス(genomics),転写物であればトランスクリプトミクス(transcriptomics),と呼ばれる。生体での複雑な諸現象には無数の分子が関与しているため,すべての分子を網羅的に解析することにより理解が深まることは容易に想像される。実際にこれが可能になってきたのは,20世紀末から21世紀にかけてのことであり,その背景としては,ヒトの全ゲノム解読の終了,シークエンサーなどの生体分子解析技術の進歩,インターネットなどの情報技術の革新的進歩,が挙げられる。歴史としてはまだ浅い分野であり,背景にある技術の進歩とともにさらに飛躍的な発展が期待される分野である。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。