【特集 女性と脂質代謝】
女性の脂質異常症の薬物療法
掲載誌
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Vol.20 No.4 47-53,
2013
著者名
寺本 民生
記事体裁
抄録
疾患領域
循環器
/
代謝・内分泌
/
糖尿病
/
腎臓
診療科目
循環器内科
/
産婦人科
/
腎臓内科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
媒体
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
「Summary」動脈硬化性疾患の治療にあたっては, 2012年のガイドラインにおいても, 「女性」の項目が設定されている. 多くの女性はLDLコレステロールが高くても絶対リスクは高くないので, 生活習慣の改善が基本となる. 一方. 女性の場合で, 糖尿病, 慢性腎臓病, 家族性高コレステロール血症などの高リスク病態がある場合は, 薬物療法が必要になる. 薬物療法としては, 治療エビデンスの確立されたスタチンが基本となるが, 妊娠の可能性のある女性についてはレジンやエゼチミブなどの使い分け, さらにはホルモン補充療法の組み合わせが必要であることは男性とは別格に考えるべきである. 「はじめに」脂質異常症の治療目的の多くは動脈硬化性疾患の予防である. 女性の場合, 最大のポイントは閉経前にはエストロゲンの作用の恩恵にあずかっているという点である. エストロゲンの作用はLDLコレステロール(LDL-C)の低下作用とともに, それ自体に動脈硬化予防効果もあり, 閉経前女性の動脈硬化性疾患の絶対リスクはきわめて低い点に留意することが重要である.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。