【特集 女性と脂質代謝】
女性のエージングと脂質代謝
掲載誌
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Vol.20 No.4 35-40,
2013
著者名
池田美智
/
高橋一広
/
倉智 博久
記事体裁
抄録
疾患領域
循環器
/
代謝・内分泌
/
アンチエイジング
診療科目
一般内科
/
循環器内科
/
産婦人科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
/
老年科
媒体
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
「Summary」エージングは人間にとって避けられない現象である. 女性の場合, エージングの過程で閉経, つまりエストロゲンの欠乏という内分泌学的に大きな変化がみられる. 血中のエストロゲン値は閉経後に急激に減少し, 60歳以後では男性の値よりも低くなる. 女性は30歳代から年齢とともにコレステロール値が高くなり, 60歳代女性の半数がコレステロールの増加を指摘されている. エストロゲンは肝臓でのLDL受容体の数を増加させ, LDLコレステロールの取り込みを促進するが, 閉経後は低エストロゲン状態になるため脂質異常症の頻度が増加する. 「はじめに」脂質異常症は動脈硬化の原因となり, 心血管系疾患(cardiovascular disease; CVD)を惹起する. 男女ともに, エージングとともに総コレステロール値は上昇するが, 特に女性は閉経後に脂質異常症の頻度が増加する. エストロゲンは脂質代謝改善作用のみならず, 血管壁への直接作用や抗酸化作用などにより動脈硬化の発生を抑制している1).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。