【特集 女性と脂質代謝】
脂肪組織と脂質代謝
掲載誌
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Vol.20 No.4 11-16,
2013
著者名
斉藤昌之
記事体裁
抄録
疾患領域
代謝・内分泌
診療科目
産婦人科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
媒体
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
「Summary」脂肪組織には白色と褐色の2種類が存在する. 両者とも細胞内に中性脂肪を蓄えている点で共通しているが, その生理的役割は全く逆で, 白色脂肪が脂肪エネルギーの貯蔵と全身への供給であるのに対し, 褐色脂肪は脂肪エネルギーの分解・消費である. また, 白色脂肪に限ってみても, その存在部位が皮下か内臓周囲かによって性質が異なっており, 特に内臓脂肪の過剰蓄積が耐糖能低下や脂質異常症, 高血圧などのメタボリックシンドロームの主因とされている. 最近, 内臓脂肪型肥満への対策の1つとして褐色脂肪が注目されている. 「はじめに」体重の90%を占める水・蛋白質・脂肪のうちで, 脂肪は年齢や性別さらには環境によって最も変動の大きい成分である. これは脂肪が主要なエネルギー貯蔵物質であり食事栄養環境が多様に変わることを考えると当然ともいえるが, その変動が生理的範囲を超えると痩せや肥満となり, さまざまな内分泌・代謝異常を引き起こす.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。