【特集 生殖系列細胞の凍結】
わが国の生殖補助医療における卵子・胚凍結の現状
掲載誌
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Vol.20 No.2 41-46,
2013
著者名
梶原健
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高井泰
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岡垣竜吾
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田谷順子
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石原 理
記事体裁
抄録
疾患領域
代謝・内分泌
診療科目
産婦人科
媒体
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
「Summary」わが国における生殖補助医療(ART)の治療周期数は年々増加している. 特に凍結・融解胚による移植周期数はvitrification法(ガラス化法)が広く普及した2000年代から急増し, 2009年以降は新鮮胚移植による移植周期数を上回っている. また, 凍結・融解胚によって出生した児の数は2000年以降漸増傾向にあり, その実数においても2006年には体外受精と顕微授精によるそれぞれの出生児数を上回り, 近年はその増加率はさらに顕著なものとなっている. 一方, 卵子の凍結・融解による治療周期数も増加傾向にあるが, その治療成績はいまだ満足できるものではない. 「はじめに」1972年にWhittinghamら1)よりマウス初期胚の凍結保存の成功が報告された. その後Trounsonら2)より1983年にヒトの受精卵の凍結保存による妊娠例が報告され, さらに1984年にZeilmakerら3)より出産例が報告された.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。