【特集 子宮内膜症・子宮腺筋症―最近の話題―】
子宮腺筋症(2)保存手術療法
掲載誌
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Vol.19 No.4 77-82,
2012
著者名
西田正人
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市川良太
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新井ゆう子
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坂中都子
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大坪保雄
記事体裁
抄録
疾患領域
代謝・内分泌
診療科目
産婦人科
/
手術・救急
媒体
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
「Summary」子宮腺筋症の保存手術にあたっては病巣の占拠部位, 周囲筋層への浸潤様式から, 結節性, 部分性, 全周性の3種に分類する. 分類に応じて対応する術式を選択する. 結節性腺筋症に対しては病巣のみを除去する古典的術式でよいが, 子宮壁を広汎に占拠する部分性腺筋症に対してはType I術式を, 全周性腺筋症に対してはType II術式を推奨する. 腺筋症病巣中央部を楔状に切除して単に病巣の減量を図る手術などは決して行ってはならない. 症例を重ね, 予後をfeedbackし, 術式の改良を続けることが大切である. 「はじめに」子宮腺筋症は正常筋層内に境界なく浸潤するため, 筋腫のように正常筋層との境界を鈍的に剥離して核出することはできない. われわれは高周波切除器のリング導子で病巣をすくい取るように削除すること(電除)によってこの問題を解決した1). 術式のコンセプトは, 症状を軽減させ, 再発率が低く, 妊娠率が高く, 妊娠中の安全性に優れていて, しかも簡単なことである.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。