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特集 子宮内膜症・子宮腺筋症―最近の話題―

子宮内膜症(5)子宮内膜症の悪性化とその分子メカニズム

小林浩

HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY Vol.19 No.4, 65-69, 2012

「Summary」本邦の疫学調査により, 臨床的卵巣子宮内膜症性嚢胞は0.72%の頻度で癌化すること, 特に45歳以上でサイズの大きい嚢胞が癌化しやすいことなどが報告されている. 子宮内膜症で繰り返される出血による酸化ストレスが内膜症細胞の細胞膜, 蛋白, 遺伝子などに分子レベルで障害をもたらすことにより, 前癌病変を介して類内膜腺癌と明細胞腺癌を発生させる. 「子宮内膜症の発生機序」子宮内膜症の発生には従来から正所子宮内膜の腹腔内逆流説と子宮内膜化生説が提唱されているが, その発生機序を組織学的に明確にするために免疫組織学的検討を行った. 卵巣表層上皮は中皮由来であり, 子宮内膜症の腺管上皮細胞は上皮由来である. そのため, 上皮マーカーとして上皮性膜抗原(epithelial membrane antigen; EMA), 中皮マーカーとしてカルレチニンを使用した. 最近, われわれを含めた複数の施設からhepatocyte nuclear factor (HNF)-1βという転写因子が子宮内膜症と卵巣明細胞腺癌で過剰発現していることが報告されている1)2).

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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