【特集 子宮内膜症・子宮腺筋症―最近の話題―】
子宮内膜症(4)治療における新たな試み 1)ジエノゲスト(1)作用機序
掲載誌
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Vol.19 No.4 29-36,
2012
著者名
清水豊
記事体裁
抄録
疾患領域
代謝・内分泌
診療科目
産婦人科
媒体
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
「Summary」ジエノゲストは, プロゲステロン受容体に選択的なアゴニスト活性を示す合成黄体ホルモンであり, 子宮内膜症性疼痛に対し高い有効性を示す. ジエノゲストは視床下部-下垂体-卵巣系を介した卵巣機能抑制作用のほかに, プロゲステロン受容体を介した細胞増殖抑制作用, 抗炎症作用, エストロゲン産生酵素の発現抑制作用, 血管新生抑制作用および瘢痕化抑制作用により, 子宮内膜症組織に対し直接的な薬理作用を示すことで, 子宮内膜症の治療効果に寄与していると考えられる. 「はじめに」合成黄体ホルモンであるジエノゲストは, プロゲステロン受容体(PR)に対する選択的なアゴニストである1). ジエノゲストは本邦および海外において子宮内膜症治療薬として用いられており, 経口投与で子宮内膜症性疼痛に対し高い有効性を示す2)3). ジエノゲストの子宮内膜症治療に対する作用機序として, 視床下部-下垂体-卵巣系を介した卵巣機能抑制作用と, 子宮内膜症組織に対する直接的な増殖抑制作用が知られている4).
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