【特集 子宮内膜症・子宮腺筋症―最近の話題―】
子宮内膜症(1)子宮内膜症の病態の新たな側面
掲載誌
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Vol.19 No.4 11-16,
2012
著者名
大須賀 穣
記事体裁
抄録
疾患領域
代謝・内分泌
/
アレルギー・免疫
診療科目
産婦人科
媒体
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
「Summary」子宮内膜症の病因・病態について炎症, 免疫, 内分泌の3つの側面から最近の進歩を解説する. 炎症についてはIL-1β, TNFαという典型的な炎症性サイトカインに加えて, TGF-βスーパーファミリーに属するアクチビン, TGF-βが子宮内膜症を悪化させることが示唆されている. 免疫においてはヘルパーT細胞に属するTh2細胞, Th17細胞の子宮内膜症における存在が示され, 各細胞に特徴的なサイトカインであるIL-4, IL-17Aが病巣を進展させる機序が明らかになってきた. 内分泌においてはプロゲステロン抵抗性と病巣でのエストロゲン産生の機序に関して新たな知見が得られている. 炎症, 免疫, 内分泌におけるイベントは相互作用しつつ本疾患の病態形成に関わっているようである. 「はじめに」子宮内膜症は女性の健康を著しく損なう疾患であるが, その病因・病態はいまだ明らかではない.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。