<< 一覧に戻る

不育症

臨床編 子宮形態異常

竹下俊行

HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY Vol.19 No.1, 43-47, 2012

Summary
 子宮奇形が,流早産,不育症と関連することは多くのエビデンスから明らかである。子宮奇形はその程度により,弓状子宮,中隔子宮,双角子宮,重複子宮などに分類されるが,このうち不育症と最も関連が深いのは中隔子宮である。子宮奇形の診断は2D超音波検査や子宮卵管造影法によりスクリーニングされるが,中隔子宮と双角子宮の鑑別には3D超音波が有用である。子宮形態異常が不育症の原因と考えられる場合には手術を考慮する。中隔子宮に対して子宮鏡下中隔切除術(TCR)が行われ,良好な成績が示されている。

Key words
●子宮奇形 ●中隔子宮 ●双角子宮 ●3D超音波 ●子宮鏡下中隔切除術(TCR)

はじめに

 ミューラー管の発生異常により生じる子宮奇形が,流早産,不育症と関連することは多くのエビデンスから明らかである。不育症の原因となる子宮形態異常には,先天的な子宮奇形のほかに子宮筋腫や子宮腔癒着症などの後天的な異常があるが,本稿では誌面の都合,子宮奇形を中心に不育症との関連について述べてみたい。

子宮奇形の分類

 胎生期に発生したミューラー管は,①正中方向への伸展,②融合,③内腔形成,④中隔吸収といった過程を経て卵管・子宮・腟上部へと分化する。この発生分化のいずれかの過程に障害をきたすと子宮奇形が生ずる。AFS(American Fertility Society)は1988年に子宮形態異常の新分類を発表し(図1) 1),現在最も広く用いられる分類法となっている。

不育症でしばしば議論となる弓状子宮はクラスⅥに分類されているが,定義は明確にされておらず,子宮底の外郭が平坦であること以外は触れられていない。このことが,外科的介入の有用性を検証する際の適応基準の不統一を招き,研究進展の妨げとなっている。弓状子宮と中隔子宮の鑑別に関してはTompkins,Wu,牧野らが独自に提唱しているが,いずれもスタンダードとはなっていない。

記事本文はM-Review会員のみお読みいただけます。

メールアドレス

パスワード

M-Review会員にご登録いただくと、会員限定コンテンツの閲覧やメールマガジンなど様々な情報サービスをご利用いただけます。

新規会員登録

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る