Summary
卵胞の構成要素である顆粒膜細胞は,エストロゲン産生のみならず,その増殖過程において卵胞発育に深く関与している。顆粒膜細胞の増殖は,細胞内シグナルPI3K/Akt経路,ERK経路で制御されているが,PTEN発現の変化は,PI3K/Akt経路を介した顆粒膜細胞増殖制御に影響を与えることが報告されている。さらに,われわれは卵胞閉鎖と密接な関連がある顆粒膜細胞のアポトーシスをスフィンゴシン-1-リン酸(S1P)が抑制することを見出した。顆粒膜細胞の増殖制御,アポトーシス抑制機構の解明は,卵胞発育の理解に役立つばかりでなく,不妊治療における良好卵獲得といった臨床的視点からも興味深いテーマである。
Key words
●顆粒膜細胞 ●PTEN ●S1P
全文記事
卵と卵胞の発育・成熟
卵胞の発育と成熟 卵胞発育と顆粒膜細胞の増殖制御機構
掲載誌
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Vol.18 No.4 67-72,
2011
著者名
岩瀬 明
/
中原辰夫
記事体裁
特集
/
全文記事
疾患領域
代謝・内分泌
診療科目
産婦人科
媒体
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。