Summary  卵胞発育に伴う遺伝子発現の変化,特にゴナドトロピン依存性遺伝子の発現調節には,それらの遺伝子近傍のエピジェネティックな変化が大きく関わっている。遺伝子プロモーター領域のヌクレオソームの配置を中心とした染色体構造変化,あるいはDNAのループ構造の形成などによる,遺伝子から一次構造的に遠く離れた領域の関与などが想定される。本稿では,StAR遺伝子を中心に卵巣での分化と遺伝子発現の関連を,エピジェネシスの観点から実際の実験手法なども紹介しながら概説したい。 Key words ●StAR ●エピジェネティクス ●ヒストンエビクション ●ChIP ●3Cアッセイ