はじめに
羊膜は胎児由来の組織であるが,その中には間葉系幹細胞が含まれており再生医療の細胞源として期待されている。再生医療の細胞源としては,ほかに胚性幹細胞(embryonic stem cell;ES細胞),人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cell;iPS細胞)が挙げられるが,これらは倫理的問題,癌化の可能性などいくつかの問題を抱えていることも事実である。その点,間葉系幹細胞は上記のような問題がなく臨床応用に有用であると考えられている。羊膜細胞は,膵分化,神経分化,肝分化,軟骨分化,心筋分化など多分化能をもつことが報告されている 1)。また羊膜は以前より母児間の免疫学的寛容の成立に大きな役割を担うと考えられているため 2),羊膜細胞にも免疫学的寛容の可能性があることが考えられる。
全文記事
目で見る生殖と再生
羊膜細胞
掲載誌
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Vol.18 No.4 4-8,
2011
著者名
辻紘子
記事体裁
連載
/
全文記事
疾患領域
循環器
/
再生医療
診療科目
循環器内科
/
心臓血管外科
/
産婦人科
媒体
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
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