Summary
皮膚においてプロラクチンは循環血液から供給されるほか,汗腺・毛包でも産生され,プロラクチン受容体は表皮ケラチノサイト,真皮線維芽細胞,血管内皮細胞,汗腺・脂腺で発現されている。プロラクチンは,皮膚では毛の成長・体温・浸透圧・創傷治癒を調節する。これに加え皮膚免疫系を修飾し,乾癬,エリテマトーデスなどの炎症性皮膚疾患の発症に関与する。また,in vitroでケラチノサイトに作用して,Th1/Tc1細胞あるいはTh17細胞の浸潤を促すケモカインCXCL9,CXCL10,CXCL11あるいはCCL20の産生を増強するため,ストレス時や授乳期の乾癬の増悪に関与する可能性がある。
Key words
●乾癬 ●Th1 ●Th17 ●ケラチノサイト ●ケモカイン
全文記事
プロラクチンの生理・病理の新展開
皮膚疾患とプロラクチン
掲載誌
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
Vol.18 No.3 79-83,
2011
著者名
神田奈緒子
記事体裁
特集
/
全文記事
疾患領域
膠原病・リウマチ性疾患疫
/
皮膚疾患
診療科目
膠原病科
/
皮膚科
媒体
HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。