「論文のポイント」

[1]後天性TTPは,ADAMTS13に対する自己抗体によって同活性が10%未満に低下することにより発症する.

[2]ADAMTS13活性が低下すると超高分子量von Willebrand因子重合体が切断されず,微小血管で血小板血栓が形成される.

[3]自己抗体のほとんどがADAMTS13の活性阻害抗体(インヒビター)であるが,結合型抗体によってADAMTS13の血液中からのクリアランスが亢進する場合も報告されている.

[4]自己抗体は主としてIgG型であるが,IgAやIgM型も報告されている.活性阻害抗体としてIgGのみが知られている.

[5]血漿交換療法によりADAMTS13が補充されることが刺激となり,自己抗体が急上昇すること(ADAMTS13 inhibitor boosting)があるので注意が必要である.