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特集 ジェンダーと血栓症

特集によせて

後藤信哉

血栓と循環 Vol.23 No.4, 5, 2015

科学は普遍性を追求する.エビデンスベースドメディシンも医療を科学としてとらえる思想の体系である.診療ガイドラインの元となるランダム化比較試験の対象症例は均質であると仮定されている.本来,男性のための科学,女性のための科学,などはあり得ない世界がEBMの世界である.EBMの発想を理解できても目の前の患者には大きなばらつきがある.日本の症例と米国の症例では血栓症の発症リスクにおいて大きな差があるとせざるを得ない.個人あるいは特定の患者集団と世界の標準集団において疾病の発症率,リスク因子の合併率などに大きな差異があると考えるとEBMの世界は根本から破綻する.男性と女性には遺伝子の差異がある.女性はXX,男性はXYである.遺伝子の差異は,思春期において身体の構造の差異を拡大させる.一般に,子供の頃から男性は車などのメカに興味があり,女性は着せ替え人形などの服飾に興味があるように見える.小児期の脳の活動にも男女差がある.筆者の世代では社会における役割にも男女差があった.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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