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特集 血栓・塞栓症からみた肺高血圧症

Ⅳ.静脈系血栓塞栓症における凝固・線溶機能 1.静脈系血栓症の最新知見

後藤信一後藤信哉

血栓と循環 Vol.23 No.3, 52-56, 2015

「論文のポイント」
[1]静脈血栓塞栓症は低圧,低流量系で起きる.
「キーワード」静脈血栓塞栓症

「はじめに」静脈系血栓症は低圧・低流速系である静脈に生ずる血栓症を意味する.深部静脈血栓症(deep venous thrombosis:DVT),肺血栓塞栓症(pulmonary thromboembolism:PTE)を含む静脈血栓塞栓症(venous thromboenbolism:VTE)が代表である1).心筋梗塞などを高圧・速流速系と捉えれば,血栓性静脈炎,心房細動による心原性脳塞栓症などの病態と相同性がある.本稿では,狭い範囲のDVT,PTEを取り上げる.DVTとPTEの病態には一体性があると理解される.すなわち,典型的なDVTである骨盤内血栓を臨床的に見出したときには,その血栓の一部が肺に塞栓している可能性は高い.もともと,肺の血管床は極めて広いので,全身の静脈から体内に取り込まれている異物などが健常人でも肺に塞栓していることは一般的と想定できる.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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