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特集 血栓・塞栓症からみた肺高血圧症

Ⅲ.肺血栓塞栓症における凝固・線溶機能 3.慢性肺血栓塞栓症の凝固・線溶系異常

伊波巧

血栓と循環 Vol.23 No.3, 30-35, 2015

「論文のポイント」
[1]CTEPHの発症機序は不明だが,基本的にはDVT・PEからの慢性移行とされ,炎症・免疫応答・遺伝子異常などを原因として血栓の不完全溶解によって起こるとされている.
[2]欧米ではCTEPHの75%でPEの既往を認めるものの,本邦では37%と明らかに少ない.また欧米では男女比に差はないが,本邦では女性が多く,民族間で明らかに患者背景が異なる.
[3]CTEPHではAT欠乏症・プロテインC/S欠乏症との関連性の指摘はなく,現在関連性として認められているものは,血中第Ⅷ因子濃度の上昇と抗リン脂質抗体症候群である.
「キーワード」慢性血栓塞栓性肺高血圧症/第Ⅷ因子/抗リン脂質抗体症候群

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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