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特集 血栓・塞栓症からみた肺高血圧症

Ⅱ.肺動脈性肺高血圧症における凝固・線溶機能 1.病因における凝固・線溶系の関与

坂巻文雄

血栓と循環 Vol.23 No.3, 9-13, 2015

「論文のポイント」
[1]PAH(以前のPPH)における凝固異常および血栓形成傾向は数多く指摘されており,微小血栓形成傾向が病態の進行因子となっている可能性は高い.
[2]PAHにおける凝固線溶異常・微小血栓は血管内皮細胞障害に起因すると考えられ,血栓形成傾向自体が血管収縮,血管増殖(リモデリング)を来すと考えられる.
[3]トロンボモジュリンとトロンビンレセプターのように,内皮細胞上の抗血栓活性と血栓形成の両者は競合して存在する.
[4]トロンビンが関与する血管収縮およびリモデリング進展の機序が細胞内Ca2+イオンの増加によること,さらにその分子メカニズムも明らかになりつつある.
[5]臨床面でPAHにおける抗凝固療法の有用性は見直されており,本疾患の更なる有効な治療法として血管内皮障害と凝固線溶異常からのアプローチも有用と思われる.
「キーワード」肺血管内皮細胞/微小血栓形成/血管収縮/血管リモデリング/トロンビン

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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