特集 ダイナミックに変わりつつあるDICの診断・治療
Ⅲ.DIC臨床各論 3.固形癌のDICと術後DIC―如何に生命予後を改善するか?
血栓と循環 Vol.23 No.2, 52-57, 2015
「論文のポイント」
[1]固形癌DICの病態の主因は癌から産生される組織因子(TF)であり,感染症DICと比較して多臓器不全の合併は少ない.
[2]固形癌DICは,基礎疾患のコントロールが困難であることが多く予後不良であるが,近年リコンビナントトロンボモジュリンにてDIC離脱や予後の延長が認められている.
[3]術後DICのほとんどが感染症であるが,内科的な疾患と異なり治療における手術侵襲が加わる分,病態が修飾され特殊であることの理解が必要である.
[4]術後DICでも,リコンビナントトロンボモジュリンの効果が期待され,手術自体の発展とともにその頻度は減少傾向にある.
「キーワード」固形癌DIC/化学療法/術後DIC/感染症/リコンビナントトロンボモジュリン
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