特集 ダイナミックに変わりつつあるDICの診断・治療
Ⅰ.敗血症DICの病態 1.敗血症性DICの発症機序―PAMPs,DAMPs,NETsの役割
血栓と循環 Vol.23 No.2, 7-13, 2015
「論文のポイント」
[1]血栓形成は感染防御に寄与している(immunothrombosis).
[2]Immunothrombosisは単球や好中球などの自然免疫細胞によって誘導される.
[3]単球や好中球を活性化する分子として,PAMPs/DAMPsが重要である.
[4]PAMPs/DAMPs-immunothrombosisシステムが制御可能な範囲を越えて拡大し,全身の微小血管を閉塞してしまう状態が,敗血症性DICの病態基盤であると考えられる.
「キーワード」Immunothrombosis/組織因子/NETs/PAMPs/DAMPs
「はじめに」血液は循環し続けなくてはならない.血管が破れた際には,血液は固まって栓をして出血を最小限に留めることで循環を維持しなくてはならないが,一方で,血管内で固まって循環を妨げることも避けなくてはならない.この相反するミッションは,血管壁の内側に抗血栓性の素材を,外側に向血栓性の素材を用いることで達成されている.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。