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特集 ダイナミックに変わりつつあるDICの診断・治療

特集によせて:新しい考え方―DICの病態・診断・治療

The purpose of special edition: New concepts― Pathophysiology, Diagnosis and Treatment for Disseminated Intravascular Coagulation

和田英夫

血栓と循環 Vol.23 No.2, 5-6, 2015

播種性血管内凝固(disseminated intravascular coagulation:DIC)は予後を悪化させる死に神のような病態とされてきたが1),近年重要な生体防御反応と考えられるようになってきた2).感染症により活性化された好中球が,自らのDNAや顆粒内の蛋白を含む網目状の構造物を能動的に放出する現象(neutrophil extracellular traps:NETs)3)が注目されている.この現象から,好中球がより積極的に殺菌や感染の局所化に働き,その結果生じるDICの発症も微小血栓形成により,感染症の局在化に貢献している可能性が示唆されている.このため,むやみにDIC発症前からの早期治療を行うのでなく,適切な診断基準よりDICを適切に診断してから,治療を行うことが重要になってきている.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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