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特集 EBMからみた抗血栓薬の選択

Ⅲ.各論 3.アテローム血栓症の再発予防における抗血栓薬の選択 (3)末梢動脈閉塞(閉塞性動脈硬化症)

西部俊哉

血栓と循環 Vol.23 No.1, 37-40, 2015

「論文のポイント」
[1]閉塞性動脈硬化症(末梢動脈閉塞)は全身のアテローム血栓症(ATIS)の一部分症であり,肢の転帰だけでなく,心筋梗塞や脳梗塞などの発症についても注意を払うことが必要である.
[2]アテローム血栓症の発症・進行を予防する抗血栓薬は抗血小板薬であり,抗凝固薬のエビデンスは確立されていない.
[3]症候性の患者に対しては,1次予防・2次予防にかかわらず,心血管合併症発生や死亡のリスクを減少させるため,アスピリンやクロピドグレルのような抗血小板薬を長期間処方すべきである.
[4]抗血小板薬が下肢血管病変の進展を予防しているか否かについては確固たるデータはみられない.
[5]患者の多くは抗血小板薬が投与されておらず,治療介入の遅れが指摘されており,抗血小板薬の投与を行うことを忘れてはならない.
「キーワード」アテローム血栓症/閉塞性動脈硬化症/抗血小板薬/心血管疾患

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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